column 2023.12.8
 
Rトピックス

美しき名建築に泊まる!会員制シェア別荘プロジェクト「Share Architecture」が運営開始

山田輝(アートアンドクラフト/大阪R不動産)
 

「名建築の保全活動を日本の文化に」をコンセプトにした会員制シェア別荘プロジェクト Share Architecture が2023年8月から運営開始。大阪R不動産で掲載をしていた、安藤忠雄建築研究所により設計された建物を別荘として、見学するだけでは味わえない建築の魅力を体感しませんか?

世界中のヴィンテージ家具を展開するATELIER GALLERY (ART MODERN JAPAN株式会社)が、日本各地に点在する名建築を会員制でシェアできるサービスを、各建築の所有者と共同で、運営開始しました。

Share Architecture -名建築の保全を日本の文化に-

戦後日本に生まれた名建築が、今日急速に失われつつあります。海外でも高い評価を受けていた建築も耐震上の理由や老朽化などの理由により解体され、日本が大きな文化的財産を失う傾向はその速度を増すばかり。

建築作品の解体が進む潮流の中で、現代における名建築の再生、保存、そして再活用がより活発になるよう促すには、まず建築の保全、また活用を“自分ごとにする”ことから始めるほかないという考えに至りました。

名建築を生んだ建築家の設計哲学は、建物が古びても色褪せない魅力を秘めています。日本の歴史や文化に育まれた建築が、未来の日本にとっていつか貴重な財産になると信じています。このような考えのもとに「Share Architecture」は発足されました。

歴史ある名建築は、古びてもどこか新鮮な魅力を秘めています。

名建築を会員制でシェア-見学の場から実用の場へ-

「Share Architecture」は日本各地に点在する名建築を会員制でシェアできるサービス。日本に遺されている素晴らしい建築を自分の別荘のように活用し、見学だけでは味わうことができない建築の魅力を最大限体感することができるプロジェクトです。

これまで活用方法、修繕費の捻出方法が見出されてこなかった建築の価値を見直し、会員からの年会費で建築の修繕費用を捻出しながら、さらに建築の動態保存を試みる「建築保全参加型のシェア別荘サービス」となります。

まだ小さなプロジェクトですが、今後は東孝光によるコーポラティブハウス作品のシェア会員プランなどの展開を含め、ラインナップを増やしていく試みも予定しています。楽しみながら、身近なものとして建築保全の世界に触れて頂き、建築好きや旅好きの輪が広がっていくことを願っています。

Share Architectureの第一弾は安藤忠雄建築研究所による初期住宅作品

第一弾の建築は安藤忠雄による「旧南林邸」

以前大阪R不動産でも賃貸募集をした安藤忠雄建築研究所による初期住宅作品「旧南林邸」(1984年竣工)。奈良県生駒市に位置する、当時の施主夫婦とその家族合わせて3世帯のために設計された住宅作品です。3階それぞれ住宅機能が独立していながら野外空間を共有のものとした、家族のための大変特殊な共同住宅のつくりです。

自閉的な囲いの中にできた内部空間は、住吉の長屋などの代表作の狭小住宅を彷彿とさせるような構成

コンクリートの素材感と、幾何学的に構成されたプロポーション、建物と中庭を囲む自閉的な壁、そしてそこから差し込む光、それだけで全てが語れるような簡素で力強い空間。静かでシンプルでありつつ、細部まで追求された建築美は時間が経つのを忘れてしまうほど。

奈良県生駒市に位置するこの物件。生駒山を取り込んだ美しい自然の景色と融合することで建物の魅力が際立たせられています。また朝、夕暮れどき、夜、それぞれの時間や時期によって移ろいゆく表情も芸術的。宿泊することでしか得られない体験が生まれるはずです。

生駒駅からは大阪市内に電車で25分、京都駅まで40分、他にも神戸や伊勢志摩エリアなど都市部へのアクセスの良さもポイント。車で12分ほどの位置には温泉があり、自然の恩恵を受ける生駒市は別荘地や第二の拠点としてもとても魅力的な街
です。

そんな旧南林邸の中階層の1室を1日1組限定で貸し切ってご宿泊いただけるサービスを実施します!チェックイン、チェックアウトの際に運営スタッフは常駐しないため、自らの別荘のようにこの建築を活用でき、プライベートな世界をじっくりと味わえます。

中層階、テラス付の住戸を貸し切りで宿泊できます。

現在、旧南林邸の会員を募集中!

安藤忠雄建築研究所が設計した公共建築を見る機会はあっても、個人住宅の作品を見学する機会はなかなかないです。さらに実際に宿泊して、建築での生活を体験することができるなんて貴重。

会員になれば、宿泊(1泊分)もしくは宿泊なしの日中物件利用(イベントやオフィス利用等)が特典として与えられます。年会費は20,000円+税(詳しくは概要をご覧ください)。そこには建物保全に対する協力費用も含んでいます。

会員数には上限を設けていて、現時点(2023年11月末)の残りが約30組。日本の古き建築を遺したいという強い想い、そして取り組みに賛同いただける方からのご参加をお待ちしております。

▼Share Architectureの詳細はこちら
https://www.sharearchitecture.net/

▼会員登録をご希望の場合はこちら
https://www.sharearchitecture.net/membership

*「Share Architecture」はATELIER GALLERY ( ART MODERN JAPAN 株式会社)によるサービスです。会員登録や問い合わせは上記リンクよりお願いいたします。

Share Architecture #1 旧南林邸 概要

■会員特典
・毎年ご宿泊1泊まで無料(1日1組限定)
または
・宿泊なしの日中物件利用の権利。1日まで無料(イベント利用、オフィス利用など/アポイント制の内容に限る)
※ご利用日数の追加は追加料金にて承り/ご宿泊の際大人の定員は2名まで
※高校生以下のお子様の帯同は無料

■年会費/¥20,000+消費税
※1名帯同可能プランご選択の場合/年会費/¥30,000+消費税

■シェア別荘サービスへの入会金 (入会時のみ)
個人/¥20,000+消費税
法人/¥300,000+消費税
※法人プランのサービス内容は個別にご案内いたします。

■連泊される場合の追加料金、別スケジュールで2泊目をご利用の場合の料金
1名でご宿泊の場合/1泊¥20,000+消費税
2名でご宿泊の場合/1泊¥30,000+消費税

■定員
大人2名、子供2名(その他人数が増える場合には要事前相談)

■チェックイン/ 14:00ー21:00 チェックアウト/8:00−12:00 ※9:00−20:00の枠での日中利用も可

■延べ床面積 : 49.00㎡+テラス約16.33㎡

■鍵の受け渡し : ご予約後にご案内する所定の位置にてスペアキーを回収

■設備
WiFi、大人用寝具2セット、幼児用簡易寝具2セット、掛け布団、冷蔵庫、ドライヤー、専用キッチン、調理、食器類、フェイスタオル、バスタオル、歯ブラシセット、シャンプー、ボディーソープ、シャワー、テラス、トイレ、ウォシュレット

▼Share Architectureの詳細はこちら
https://www.sharearchitecture.net/
▼会員登録をご希望の場合はこちら
https://www.sharearchitecture.net/membership

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