column 2016.2.2
 
北加賀屋にアートな集合住宅登場!

第2回 様々な領域から集う8組のアーティスト

土中 萌(大阪R不動産/アートアンドクラフト)
 

北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ構想(KCV)」の一環として、住之江区北加賀屋にある元社宅だった建物を8組のアーティスト・クリエイターのプロデュースによって再生させるプロジェクトが現在進行中(そのあらましは前回のコラムをご覧ください)。今回はその顔ぶれをご紹介します!

本プロジェクトに参画するアーティスト・クリエイター8組が揃いました。別の場面で名前をご存知の方も多いのでは?

アーティストはこの8組!

本プロジェクトの肝は何と言っても参画するアーティスト・クリエイターの自由なアイディア。事業主の千島土地株式会社とアートアンドクラフトが2カ月ほど時間をかけてお誘いする方々を選考しました。この人が!? こんな人まで!? 自由な発想でどんなリノベーションが行われるのか、それぞれ楽しみです。

というわけで、突然ですが参加アーティストの皆さんにアンケートをしてみました!
Q1.普段はどんなお仕事や活動をされていますか?
Q2.今回手掛ける部屋で表現したいこと/デザインのコンセプトは?

GREEN SPACE
A1. 個人宅や店舗の庭をつくること、そしてつくった庭を手入れすることを仕事の中心にしながら、庭やグリーンに関する講演・ワークショップを行っています。
A2.庭と住まいの新しい関係性、新しい景色を探して。ボクらは普段暮らしの背景をつくるような感覚で庭を扱っていますが、今回は「住まいに内包される庭」というコンセプトで考えていきたいと思います。
GREEN SPACE http://green-space1991.com/

スキーマ建築計画
A1.家具から建築・ランドスケープまでスケールを問わず、また個人宅から商業空間、そして公共空間までとジャンルも問わずデザインを行っています。
A2.今回の空間設計では「足す」のではなく、「引く」ことで成立するデザインを目指したいと考えています。
スキーマ建築計画 http://schemata.jp/

電化美術×FabLab Kitakagaya
A1.「電化美術」は電化製品のデザイナーを中心とした、大阪を拠点に活動する“モノづくり/コトづくり“集団です。FabLab Kitakagayaはパーソナル・ファブリケーション(大量生産の市場原理でない、個人的なものづくり)の可能性をさまざまな人と共同で開拓していくための実験的な市民工房です。
A2.電気回路の試作・実験に用いるブレッドボードのように、簡単に組み替えが可能な面白い仕組みを住宅に取り入れました。家そのものを組み替え、作り変えていくような、実験的な住まいを提案します。
電化美術 http://www.denbi.org/
FabLab Kitakagaya http://fablabkitakagaya.org/

NEW LIGHT POTTERY
A1.住居や店舗の照明計画のプランニングやオリジナル照明器具、特注照明器具の設計、製造をしています。
A2.住空間において照明は、部屋を明るくする設備としての役割を担っています。それが故に、現在の住空間では明るさや効率性が優先され、照明が人に与える影響はおざなりになっています。今回のリノベーションでは、照明の明暗や効率といった、通常の価値観とは違う物差しで住空間の光環境をつくり、機能ではなく感覚に訴える光を表現したいと思っています。
NEW LIGHT POTTERY http://www.newlightpottery.com

松延総司
A1.現代美術のアーティストとして作品を制作しています。
A2.紙やすりを壁紙の代わりに使用し、「やすりの部屋」をつくります。物を「やする」のではなく、住み手自身が壁に触れることで「やすられる」部屋です。その中で研ぎすまされた身体感覚が、タイルのツルツルや畳のつぶつぶを認識し直してくれると考えています。また、やすりの種類や番数によって異なる質感がインテリアのデザインを成立させることも面白いと思っています。
松延総司 http://matsunobe.net/

photo by Emi Yamaguchi

松本 尚
A1.布団やこたつなどの生活用品、服、壁紙など日常的にあるものの中に、夢や神話、伝承、現代文学などから抽出したイメージを潜りこませ、現実世界とのズレ、揺らぎを生み出すようなアート作品を制作しています。
A2.そこで暮らす時間を通じて編まれた記憶が10年後、20年後、その人の中に、どのように残っていくのか考えながら手がけたいと思っています。

吉行良平と仕事
A1.家具のデザインやマスプロダクトのデザインを主に行っています。頭で考えるだけでなく実際に手を動かして実験・検証しながら、あるべき色や形を探ることを大事にしています。
A2.部屋を構成する、さまざまな要素をもう一度見直し、それぞれに少しずつ今までと違う主張をさせていくことで、その集合体としての「住まい」が新しい空間を構築する。そんな部屋を目指します。
吉行良平と仕事 http://www.ry-to-job.com

Rhizomatiks Architecture
A1.「Rhizomatiks Architecture」は、コンテンツを考え実行できるRhizomatiksならではの建築チームです。
施設開発、まちづくり、都市開発などさまざまなフェーズにおいて、民間企業や地方自治体などのサポートを行います。
A2.「記憶の記録」 会話、行動、感情など、生活で得られる体験のすべてをヒトが記憶することは難しい。しかし、居住空間における普段の何気ない時間の中にも実は居住者にとって重要な情報が潜んでいるのではないだろうか?居住空間自体が人間の外部記憶装置として機能することができれば、そこにはまた違った住居の在り方が見えてくるのではないかと考えています。
Rhizomatiks http://www.rhizomatiks.com/

建築の領域を超えた建築とは?

8組のアーティスト・クリエイターと、そして施工をサポートして頂くPOS建築観察設計研究所と打ち合わせを重ねる日々。彼らが提案する案はやはりどれもユニークで、建築にどっぷり浸かってしまっている私たちには思いもつかないものばかりで刺激的です。

住宅に初めて使用する材料をどのように施工するのか? 本当に賃貸住居として成り立つのか? というクエスチョンをひとつずつ乗り越えながら、完成に向けて準備を進めています。

こちらの連載、次回は2月末頃、建物共用部やお披露目イベントについてお知らせします。
プロジェクトの全貌をどうぞお楽しみに!

[本件に関する取材のお問い合わせ先]
大阪R不動産:広報担当 土中
TEL:06-6443-1350 FAX:06-6443-1360

メールでのお問い合せは下記からお願い致します。
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